不動産のみ記載する遺言を書くことを可能?

遺言書を作成しておくことで、自分が亡くなった後、誰に財産を遺すか決めておくことができます。

不動産を保有している人の中には代々引き継いだ資産である不動産だけ残す人を決めておきたいという人もいるでしょう。今回は不動産のみ記載する遺言について解説します。

不動産のみ記載する遺言書を作ることは可能

結論から言うと不動産のみ記載する遺言書を作ることは可能です。遺言書はすべての財産について記載する必要はありません。記載した財産のみ効力を生じることになります。

不動産を複数保有している場合はそれぞれ受け取る人を指定することができます。例えば、自宅と駐車場とアパートがある場合、配偶者に自宅、長男に駐車場、長女にアパートを遺すということも可能です。

不動産のみ記載する遺言の作成方法

不動産のみ記載する遺言を書く際も通常の遺言の作成方法と大きな違いはありません。

遺言には自筆証書遺言と公正証書遺言があります。自筆証書遺言とは自分で自宅で作成する遺言です。自分で作成するため、費用などはかからず簡単に書き換えることも可能です。ただし、形式的な不備がある可能性もあるため、法律上有効な遺言となるかどうかは亡くなったあとにしかわかりません。

一方の公正証書遺言は公証役場で公証人に依頼して作成してもらう遺言です。作成時に公証役場に費用を支払う必要がありますが、作成時に有効な遺言として確実に残すことが可能です。

自筆証書遺言の場合も公正証書遺言の場合も不動産の登記を確認して、正確な地番を書くことが重要です。

例えば、「自宅不動産を長男に遺す」という遺言があったとしても自宅不動産とはどこまでを指すのかがあいまいな場合があります。自宅には土地と建物がありますし、自宅前の私道や隣接している駐車場が文筆されているケース、敷地内に物置など別の建物が建っているケースもあるでしょう。

登記簿上に記されている地番を正確に記載しておかなければトラブルになる可能性があります。

自分が保有している不動産を把握するためには名寄帳を確認するのが便利です。名寄帳とは地方税法第387条1項に基づいて作成されている市区町村ごとにその人が保有している不動産の一覧です。名寄帳には所在や評価額が記されており、自分が保有している不動産の一覧が掲載されています。

固定資産税を納付する際に届く納税通知書でも保有不動産を一覧で確認することができますか、税金を支払う義務が発生していない私道等の土地は記載されていません。

記載漏れが無いように市区町村役場で名寄帳を取得して記載するようにしましょう。

 

貸付事業用宅地の特例とは


今回は貸付事業用宅地について解説します。

貸付事業用宅地とは

貸付事業用宅地とは被相続人が貸付事業に利用している土地のことです。

貸付事業用宅地の特例を利用することで最大200㎡まで50%減額することができます。

被相続人が貸付事業用に利用していた土地と被相続人と生計を一にしていた者が貸付事業用に利用していた土地が貸付事業用宅地として特例を受けることができます。

 

貸付事業とは不動産貸付業やアパートの土地、駐車場などがあげられます。ただし、相続開始前3年以内に新たに貸付事業として利用されていた土地は特例を適用することができません。

 

土地はアパートなどを建てて賃貸に出すことで、貸家建付地評価となり、土地の評価を下げることができます。また、建物も固定資産税評価となり、建築費用よりもかなり低い評価となります。保有している土地に建物を建てることで収益性も上がり、相続税評価を下げることで、相続税の負担を下げることになります。本特例を活用することで、さらに相続税負担を減らすことができるでしょう。

 

居住用の不動産と貸付事業用の宅地

居住用の宅地と貸付事業用の宅地がある場合、どのように対応すればよいのでしょうか。併用する場合の計算方法について解説します。

自宅の面積が330㎡以上の場合は特定居住用宅地の特例から利用する

特定居住用宅地の特例は330㎡まで80%、貸付事業用宅地の特例は200㎡まで50%減額することができます。特定居住用宅地の特例で330㎡を適用した場合、貸付事業用宅地の特例を適用することができません。特定居住用宅地の特例の方が減額割合が大きいため、同じくらいの価格の土地であれば、特定居住用宅地の特例を利用する方が有利です。

自宅の面積が330㎡に満たない場合

自宅の面積が330㎡に満たない場合、特定居住用宅地の特例と貸付事業用宅地の特例を面積に応じて併用することができます。特定居住用宅地の特例を優先し、貸付事業用宅地の特例を利用する際の限度面積を計算する方法は以下の通りです。

特定居住用宅地の特例を利用する面積×200/330+貸付事業用宅地の特例で利用する面積≥200㎡

特定事業用宅地と特定居住用宅地の特例を利用する場合、完全に併用することができ、特定事業用宅地の400㎡と特定居住用宅地の330㎡あわせて730㎡まで適用することができます。

一方で、特定居住用宅地の特例と貸付事業用宅地の特例は完全に併用することができませんので注意が必要です。

計算方法や特例の適用要件は複雑ですので、税理士に相談するようにしましょう。

 

 

特定事業用宅地の特例とは

今回は特定事業用宅地について詳しく解説します。

 

特定事業用宅地とは


特定事業用宅地とは最大400㎡まで、80%評価を減額できる制度です。

被相続人が事業用に利用していた宅地で次のいずれかの条件を満たすものを指します。

①被相続人の事業用の宅地
被相続人の親族が相続により取得し、相続税の申告期限までその土地を保有し、事業を営んでいること

②被相続人と生計を一にする親族の事業用の宅地
事業を行なっていた生計を一にする親族が相続により取得し、相続税の申告期限まで保有し、事業を営んでいること


①の場合、取得者が被相続人の親族であること、②の場合は取得者がその事業を行なっていたものと生計を一にするものである必要があります。

事業用とは不動産貸付業や駐車場業、不動産の貸付などによって収入得ている土地のことです。

事業を転業・廃業した場合、この特例を利用することができません。一部転業した場合は転業部分以外が特例の対象となります。

 

特定同族会社事業用宅地

 

特定同族会社事業用宅地も最大400㎡まで80%減額することができます。ただし、特定事業用宅地と合計で400㎡までの適用となりますので、注意しましょう。
特定の同族会社とは相続開始直前に被相続人及び被相続人の親族の持株割合、出資割合が50%を超える法人のことです。

法人の事業の用に使われていた宅地とは特定同族会社に貸し付けられていた法人や法人の社宅として利用されていた宅地などが該当します。

取得者がその法人の役員であること、相続税の申告期限まで保有し、事業を営んでいることが要件となっています。

 


特定事業用宅地の特例・特定同族会社事業用宅地の特例を利用する際の注意点

特定事業用宅地の特例・特定同族会社事業用宅地の特例を利用する際の注意点について解説します。

要件が複雑


特定事業用宅地の特例・特定同族会社事業用宅地の特例は小規模宅地の特例の中でも複雑な要件が定められています。利用を検討する場合は税理士に相談するようにしましょう。

納税資金を確保する


土地や自社の株式などが被相続人の財産の大部分を占める場合、別途納税資金を確保する必要があります。相続人が相続税を払えるように、生命保険や生前贈与で現金を蓄えておく必要があります。

 

分割方法をあらかじめ決めておく


事業用の宅地や同族会社の株式を持つ場合、法定相続割合通りに分けることができないケースがほとんどです。相続発生後に配分について話し合うことは非常に難しいでしょう。
配分方法をあらかじめ決める場合は遺言書を作成することをお勧めします。公正証書の遺言は効力も強くスムーズに手続きを進めることができるでしょう。

 

特定居住用宅地の特例とは?

 

今回は前回に引き続き小規模宅地の特例について解説していきます。小規模宅地の特例を利用することで、相続税の負担を大きく減らすことができます。

 

その中でも特定居住用宅地の特例は最も利用されることが多い特例です。また、330㎡まで土地の評価が80%減額となる、効果も大きい特例です。

今回は特定居住用宅地の特例について詳しく解説します。

 

特定居住用宅地の特例を利用できる対象者

特定居住用宅地の特例はどのような方が相続する際に利用できるのでしょうか。詳しく解説していきます。

配偶者などの同居親族

配偶者などの同居親族が特定居住用宅地の特例を利用する場合、特に制限がなく利用できます。そのため、配偶者などのが相続する場合は問題なく特定居住用宅地の特例を利用できると考えてよいでしょう。

ただし、相続税の申告期限の日まで配偶者が住み続けていることが条件です。独り身となったことで、有料老人ホームに入居したり、子どもの家の近くに引っ越すと特例が利用できなくなりますので、注意しましょう。

子どもなどの別居親族

子どもなどの別居親族が相続する場合は以下の条件をすべて満たす必要があります。

・被相続人の配偶者が同居していない

・宅地を相続する親族が相続発生前3年以内に自己または自己の配偶者の持ち家に住んでいない。

・申告期限まで宅地を保有する

別居の親族が居住用宅地の特例を利用する場合は、上記をすべて満たす必要があります。特に相続発生前3年以内に自己または自己の配偶者が持ち家に住んだことがないといういわゆる「家無き子」が理由で特例を利用できないことが多くあります。本特例を利用するためには相続するまで、マイホームを購入しないなど注意する必要があります。

居住用宅地の特例の利用において注意が必要なケース

居住用宅地の特例の利用において注意が必要なケースについて解説します。

二世帯住宅に居住していたケース

二世帯住宅に居住していたケースでは区分所有の登記がされているか否かが特例利用可否に影響します。

二世帯住宅を区分所有の登記をして、親と子供で区分所有の登記をしていない場合であれば、本特例を利用することができます。しかし、親と子供でそれぞれ区分所有の登記をしている場合、本特例を利用できません。

有料老人ホームに入居していたケース

有料老人ホームに入居しているケースでも、被相続人が要介護・要支援などの認定を受けており、特定養護老人ホームなど老人福祉法等に規定される介護施設に入居している必要があります。

また、有料老人ホームに入居した後、自宅を他人に賃貸に出していた場合は本特例を利用することができません。

 

小規模宅地の特例とは

数ある相続関連の特例の中でも頻繁に利用されているのが小規模宅地の特例です。

ただし小規模宅地の特例の適用条件は非常に複雑で勘違いしている人も少なくありません。今回は小規模宅地の特例の全体像を解説します。

 

小規模宅地の特例は4つに分かれている

小規模宅地の特例は4つの分類に分けることができます。それぞれの概要を見ていきましょう。

 

特定居住用宅地の特例

特定居住用宅地の特例は被相続人が居住用に利用していた土地について最大330㎡まで配偶者や自宅を持たない子どもが相続した場合、80%減額できる制度です。

 

特定事業用宅地の特例・特定同族会社事業用宅地の特例

特定事業用宅地の特例は事業用の宅地について最大400㎡まで80%減額することができる制度です。事業用の宅地が400㎡を超える場合は、400㎡まで減額の適用を受けることができます。

特定事業用宅地の特例を利用するためには相続税の申告期限まで事業を継続している必要があります。また、事業用地に利用されている場合でも、建物が建っている必要がありますので、青空駐車場や資材置き場として利用している場合は適用できません。

 

特定同族会社事業用宅地の特例

特定同族会社事業用宅地の特例は被相続人と相続人の持ち株の合計が50%を超える場合かつ同族会社に貸し付けている場合に利用できる特例です。400㎡まで80%減額することができます。

特定同族会社事業用宅地の特例を利用するためには、特定事業用宅地の特例同様、相続税の申告期限まで事業を継続している必要があります。また、事業用地に利用されている場合でも、建物が建っている必要がありますので、青空駐車場や資材置き場として利用している場合は適用できません。

 

貸付事業用宅地の特例

貸付事業用宅地とは被相続人が貸付の事業のために使用している宅地のことです。相続税の申告期限まで保有し、貸付事業を継続していることが条件です。最大200㎡まで50%まで減額することができます。

 

小規模宅地の特例の併用について

小規模宅地の特例は併用して利用することができます。特定居住用宅地の330㎡と特定事業用宅地の特例または特定同族会社事業用宅地の特例の400㎡を両方適用する場合は合計で770㎡利用することができます。

一方で、特定居住用宅地と貸付事業用宅地の特例を利用する場合、限度面積を超えて併用することはできません。特定居住用宅地の特例の利用面積に余裕がある場合のみ利用することができます。特定居住用宅地の方が減額割合が大きいため、特定居住用宅地の特例を適用してから、余裕がある分について貸付事業用宅地の特例を利用します。特例を併用する場合は、計算が非常に複雑になるため、税理士に相談するようにしましょう。

不動産で相続税を納めることができる?

相続税は原則、現金一括で支払う必要がありますが、どうしても現金で納付することが難しい場合、現物で納付する物納という方法があります。今回は物納について解説していきます。

物納の対象となる財産

物納の対象となる財産と優先順位が決まっています。物納対象財産と優先順位は以下の通りです。

第1順位:不動産、船舶、国債、地方債、上場株式等

第2順位:非上場株式

第3順位:動産

物納をするまでの流れ

まず物納の流れについて解説します。物納は以下の手順で手続きを行います。

①物納する財産を選定する

物納する財産を前述の対象となる財産から選定します。優先順位が高いものから選定する必要があります。

②物納申請書と物納関係書類の作成

物納に必ず必要となる書類は物納申請書、金銭納付を困難とする理由書、物納財産目録の3つです。 相続税の申告期限である10ヶ月までに提出が難しい場合は物納手続関係書類提出期限延長届出書をあわせて提出する必要があります。書類が完成したら管轄の税務署に提出します。

③税務署による調査

不動産などの場合、現地調査などが行われます。残置物の撤去など整備が必要な場合、必要な措置を講じる必要があります。

④物納許可または却下

税務署による判断が行われて物納許可か却下されます。物納は必ずしも許可されるわけではありません。

物納のメリット

物納をすることで、物納許可限度額までは譲渡所得が非課税になります。 親から引き継いでいくらで購入したかわからない不動産は譲渡金額の5%しか取得価格として算入できないため、売却時の譲渡所得税の負担が大きくなります。 物納を選択することで、譲渡所得は免状されますので、売却してから現金で納付するよりも有利になる可能性があります。

物納のデメリット

物納にはどのようなメリットがあるのでしょうか。具体的に確認しておきましょう。

物納が許可されるまで利子税がかかる

物納の場合、納税期限から物納による所有権移転までの間利子税がかかります。審査に要した期間については利子税の免除期間となりますが、書類の整備などにかかった期間については利子税の対象期間となりますので迅速に手続きを進める必要があります。

必ず物納が認められるわけではない

物納の申請をしても必ず物納が認められるわけではありません。万が一物納が認められなかった場合、手間がかかるうえに、申告期限ギリギリになってしまい、資金を用意する必要が出る可能性がありますので、注意が必要です。 また、却下される可能性もありますので利子税がかかったものの、現金を用意して相続税を支払う必要が出てくる可能性もあります。

融資を受けたら相続税が安くなるって本当?

 

今回は相続税と借金の関係について解説したいと思います。

相続税が多くかかりそうな資産家の方には銀行が融資を受け、借金を作ることで相続税が安くなるという提案をすることがよくあります。

 

なぜ借金を作ると相続税が安くなるのでしょうか。

融資を受けることで相続税が安くなる仕組みとデメリットについて解説します。

 

融資を受けると相続税が安くなる仕組み

融資を受けることで、相続財産からマイナスすることができます。

 

例えば、1億円の借金があれば、相続財産から1億円をマイナスすることができます。

しかし、1億円の借金をしても1億円の現金が増えていたらプラスマイナスは0になります。

融資を受け、借金を作ることで相続税が安くなる理由は、融資を受けて現金から不動産に資産を組み替えるからです。

前回の記事「融資を受けたら相続税が安くなるって本当?」でも解説した通り、土地や建物は時価よりも安くなります。

融資を受けて規模を大きくすることで購入できる物件の規模が大きくなり、節税効果も大きくなるのです。

相続税評価が70%程度になる不動産の例で考えてみましょう。

 

ケース①

時価:5,000万円

相続税評価:3,500万円

現金支出額:5,000万円

融資:無し

 

ケース②

時価:1億円

相続税評価:7,000万円

現金支出額:5,000万円

融資:5,000万円

 

ケース①の場合、相続税評価は1,500万円下げることができます。一方でケース②の場合は相続税評価を3,000万円下げることができます。

同じ現金支出額でも、融資を受けることで、規模が大きくなり節税効果も大きくなるのです。融資を受けること自体が相続税対策になるのではなく、融資を受けて購入する不動産の規模を大きくすることで、相続税対策につながるのです。

 

融資を受けることのデメリット

融資を受けることで相続税評価を大きく下げることができますが、デメリットにも注意しておく必要があります。2つのデメリットについて解説します。

 

規模が大きくなることでリスクが大きくなる

不動産は価格変動があるため、リスクのある資産です。融資をうけて資産規模が大きくなれば、リスクもそれだけ大きくなります。

投資用の不動産であれば、節税効果よりも投資による損失の方が大きくなる可能性もありますので注意しましょう。

 

金利が上昇して負担が大きくなる可能性がある

融資を受けている場合に、リスクとして把握しておく必要があるのが金利の上昇です。

変動金利で融資を受けている場合、金利が上昇するとコストが大きく増える可能性があります。

現在は超低金利の状態が続いており、低金利での融資を受けることが可能ですが、この状態がいつまで続くかはわかりません。金利上昇に備えた余裕のある返済計画を立てることが重要です。

タワーマンションを買ったら相続税が安くなるって本当?

タワーマンションを購入することで、節税ができるという話を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。

いわゆるタワマン節税には落とし穴はないのでしょうか。

今回はタワマン節税の仕組みと注意点について解説します。

 

タワマン節税の仕組み

タワマン節税はどのような仕組みとなっているのでしょうか。

不動産の評価とタワマン特有の節税効果について解説していきます。

 

不動産の評価方法

不動産の評価は土地と建物で分けて評価を行います。

土地は面積×路線価、建物は固定資産税評価額で評価を行います。路線価は時価の8割程度、建物は6割~7割程度の評価となります。

 

時価に対し、土地や建物の相続税評価は低くなるため、現金を不動産に代えることで、相続税の課税対象財産を低くすることができるのです。

マンションは土地部分が少なく、建物部分の割合が多くなりますので、土地部分が大きい一戸建てよりも時価と相続税評価額の差が大きくなり、相続対策に向いているのです。

 

タワマン特有の節税効果

現金を不動産に代えることで、節税効果が得られますが、タワマンは通常の不動産よりも節税効果が大きくなります。

その理由は、タワマンは階層が上に行けば行くほど時価が上がっていく特徴があるということです。

土地の路線価と建物の固定資産税評価額は同じマンションの同じ間取りであれば、2階と50階で同じ評価額となります。

一方で時価は高層に行けば行くほど高くなりますので、相続税評価と時価評価の差額が大きくなり、節税効果も大きくなるのです。相続税評価と時価評価の差が大きいという点がポイントとなります。

 

タワマン節税の注意点

節税効果の大きいタワマン節税ですが、注意点があります。

注意点についてもしっかり確認しておきましょう。

税務署から指摘を受ける可能性がある

過去に、相続発生直前に数億円のタワマンを購入し、相続発生後すぐに売却したケースでは明らかに節税対策での購入であると税務署から時価評価並みの評価で相続税の申告を行うように指摘が入ったことがあります。

不動産はあくまで実需で持つ必要があるため、自分で住むか投資用として保有する必要があります。

 

時価が値下がりする可能性がある

不動産は時価が変動するものです。

タワマンを購入し、相続税評価を下げることに成功したとしても、不動産の時価自体が値下がりし、相続税の節税効果以上に損失を被る可能性もあります。

不動産は天変地異などによって、大きなダメージを受ける可能性もありますので、節税が必ず成功するとは限らないのです

不動産は相続する前に売るべき?

相続財産の中で大きな割合を占めることもある不動産。価値のある不動産は売却することも可能です。 不動産は生前に売却する場合と相続した後に売却するのではどちらが良いのでしょうか。具体的に双方のメリットを確認してみましょう。

 

不動産を生前に売却するメリット

まずは不動産を生前に売却するメリットについて解説します。

①遺産分割がスムーズになる

不動産は預金などの金融資産に比べて分けにくい財産です。生前に売却して現金化しておかことで、遺産分割をスムーズに進めることが可能です。

②自分のタイミングで売却できる

相続発生後に売却する場合、納税資金を確保するために急いで売却する必要が出てくる可能性があります。 生前に売却すれば自分のタイミングで売ることができるため、買主と交渉する時間的な余裕も生まれます。

 

不動産を相続発生後に売却するメリット

不動産を相続発生後に売却するのはどのようなメリットがあるのでしょうか。

相続税評価が現金よりも低くなる

相続税評価は現金よりも低くなる傾向があります。土地の場合、路線価で評価しますが、路線は時価の8割程度で設定されています。 建物は固定資産税評価額で評価をしますが、時価の5割程度になることもあります。 不動産で相続した方が売却して現金化するよりも相続税評価を低くすることができるのです。

②小規模宅地の特例によって評価減が期待できる

小規模宅地の特例とは自宅や事業用、貸付不動産の土地の評価を一定額評価から減額できる特例です。 自宅の場合、330㎡まで80%の減額が可能です。土地の評価が5,000万円の場合、小規模宅地の特例を適用することにより1,000万円の評価となりますので、かなり大きい評価減となります。

③相続した空き家を売却した場合、譲渡所得から3,000万円控除できる

不動産を売却した場合、購入時との差額が利益となります。購入時から値上がりしている場合や購入時の価格がわからない場合は所得税が課されます。 相続した昭和56年5月31日以前に建てられた空き家の場合、譲渡所得から3,000万円控除することができます。

節税を重視するのであれば相続した後に売却する方が有利

ここまでご説明した通り、節税を重視するのであれば、不動産は相続した後に売却する方が良いでしょう。 しかし、不動産があることで、遺産分割がうまくいかないケースもありますので、一概に不動産は相続した後に売却するべきとは言えません。 相続人の関係なども考慮して検討する必要があります。

借地権を相続する際の注意点

相続する財産の中に借地権が含まれている場合があります。

借地権とは土地を借りる権利のことで、建物が上に建っている場合があります。今回は借地権を相続した場合の注意点について解説します。

 

地主以外への売却が難しいケースもある

借地権と借地の上に建っている建物は売却することも可能です。

しかし、土地建物を有している場合に比べ、借地権と借地権付建物の売却は簡単ではありません。 場合によっては地主以外に売却することが困難なケースもありますが、地主が金銭的に余裕があるとは限りません。

 

そのため、借地権は現金化することが出来ない場合もあるのです。 事前に現状を把握して、状況によっては現金化することが難しい財産として遺産分割の時点から認識しておく必要があります。

 

地主からなんらかの要求があるケースがある

借地権者の相続が発生した時点で地主からなんらかの要求がある可能性があります。

地主からどのような要求が来るか事前に理解しておく方が良いでしょう。地主からの要求は大きく分けて以下の4つです。

 

①賃料の値上げ

これまで、相場よりも安い賃料で借りていた場合、地主から賃料の値上げを要求される可能性があります。 地主から交渉があった場合は契約書を確認するようにしましょう。契約書がない場合は新たに作成するように地主と交渉する必要があります。

②更新料の請求

借地権は相続財産であり、法定相続人が借地を相続する場合、地主に許可を得る必要はありません。 そのため、更新料を支払う法的根拠はありません。ただし、地主との関係悪化を避けるために、更新料を支払うというケースもあります。 払うべきか否かは状況によりますので、一概に払うべきか否かを結論づけることはできません。

③土地の返還

相続をきっかけに土地の返還を求めてくるケースもあります。借地権は売却することができる権利ですので、地主と価格を交渉することもできます。 現在の使用状況をふまえて、返還に応じるのか、値上げしてでも使用継続をお願いするか決める必要があります。

 

借地権を誰が相続するか揉めるケースも

借地権は上記のような地主との交渉が入ることがあります。

そのため、交渉の手間を避けるために、借地権の相続は避けたいと考える相続人もいるでしょう。 特に売却することが難しい借地権の場合は毎月の賃料を支払う必要がある負の財産となってしまうこともあります。 相続発生後に話し合うことが難しい場合は事前に遺言を作成するなど対処をしておく必要があるでしょう。

共有で不動産を相続するデメリット

 

遺産にはさまざまな種類の財産が含まれます。預金などの金融資産であれば綺麗に半分に分けることができますが、現物資産は半分ずつ分けるということができません。 特に不動産は金額も大きくなるため、共有で相続することも多いでしょう。

 

今回は不動産を共有で相続するデメリットを解説します。

 

意思を統一することが出来なくなる可能性がある

不動産は遺産の中でも大きな割合を占めることが多く、誰か一人がもらってしまうと、不動産をもらう人の取得割合が大きくなってしまい、バランスを欠く配分になってしまうことが多くあります。 そのため、不動産を共有すると言う方が多くいます。

 

しかし、不動産を共有で相続すると売却や賃貸に出す際に意思を統一して行う必要があります。 被相続人の子で共有となった場合、兄弟同士ですが、さらに相続が発生するといとこ同士で話し合いをすることになります。関係も遠くなり、人数も多くなるため、どんどん意思統一をすることが難しくなっていきます。

 

共有を避けるための手段

財産の共有を避けるためには具体的にどのような手段があるのでしょうか。

具体的に確認してみましょう。

遺言で遺す人を決める

共有を避けるために有効な手段として遺言を書いて財産の分け方を指定しておくということがあげられます。

相続発生後に財産の配分を決める場合、短い期間で相続人間で話し合う必要があり、どうしても共有での相続となりがちです。

遺言であれば生前にしっかりと分け方を検討することができます。

 

事前に売却する

共有を避けるための手段として、不動産は事前に売却しておくと言う方法もあります。

自宅以外の不動産は売却することができますし、自宅不動産でもリースバックなどの手段を用いることで、自宅に住み続けながら所有権を生前に売却することができます。 相続人間の関係が悪く、相続後に売却することが難しいケースでは事前に売却することま検討してみてもよいでしょう。

 

共有は最終手段

不動産を共有することで、遺産分割はうまくいくことが多いです。

確かに共有は平等に財産を相続することができます。 しかし、共有にすることで、問題を先送りにしているだけのケースも多々あります。

次の相続が発生し代替わりが進めば進むほど、話し合いは難しくなります。 共有はデメリットも多いため、最終手段と考えて、なるべく共有とならずに相続できる方法を探るようにしましょう。