不動産のみ記載する遺言を書くことを可能?

遺言書を作成しておくことで、自分が亡くなった後、誰に財産を遺すか決めておくことができます。

不動産を保有している人の中には代々引き継いだ資産である不動産だけ残す人を決めておきたいという人もいるでしょう。今回は不動産のみ記載する遺言について解説します。

不動産のみ記載する遺言書を作ることは可能

結論から言うと不動産のみ記載する遺言書を作ることは可能です。遺言書はすべての財産について記載する必要はありません。記載した財産のみ効力を生じることになります。

不動産を複数保有している場合はそれぞれ受け取る人を指定することができます。例えば、自宅と駐車場とアパートがある場合、配偶者に自宅、長男に駐車場、長女にアパートを遺すということも可能です。

不動産のみ記載する遺言の作成方法

不動産のみ記載する遺言を書く際も通常の遺言の作成方法と大きな違いはありません。

遺言には自筆証書遺言と公正証書遺言があります。自筆証書遺言とは自分で自宅で作成する遺言です。自分で作成するため、費用などはかからず簡単に書き換えることも可能です。ただし、形式的な不備がある可能性もあるため、法律上有効な遺言となるかどうかは亡くなったあとにしかわかりません。

一方の公正証書遺言は公証役場で公証人に依頼して作成してもらう遺言です。作成時に公証役場に費用を支払う必要がありますが、作成時に有効な遺言として確実に残すことが可能です。

自筆証書遺言の場合も公正証書遺言の場合も不動産の登記を確認して、正確な地番を書くことが重要です。

例えば、「自宅不動産を長男に遺す」という遺言があったとしても自宅不動産とはどこまでを指すのかがあいまいな場合があります。自宅には土地と建物がありますし、自宅前の私道や隣接している駐車場が文筆されているケース、敷地内に物置など別の建物が建っているケースもあるでしょう。

登記簿上に記されている地番を正確に記載しておかなければトラブルになる可能性があります。

自分が保有している不動産を把握するためには名寄帳を確認するのが便利です。名寄帳とは地方税法第387条1項に基づいて作成されている市区町村ごとにその人が保有している不動産の一覧です。名寄帳には所在や評価額が記されており、自分が保有している不動産の一覧が掲載されています。

固定資産税を納付する際に届く納税通知書でも保有不動産を一覧で確認することができますか、税金を支払う義務が発生していない私道等の土地は記載されていません。

記載漏れが無いように市区町村役場で名寄帳を取得して記載するようにしましょう。