マンションを相続する際の評価額の調べ方

不動産を相続する場合は、相続税の計算に手間がかかります。

というのも、評価額を自分で計算しなければならないからです。

 

建物なら、市区町村から郵送される、固定資産税の納付通知書の評価額がそのまま当てはまります。

 

しかしながら、土地の場合は、路線価や倍率方式があるため、どちらに該当するかを確かめなければなりません。

さらに、路線価方式の場合は、土地の状況に応じた補正率を確認して、計算式に当てはめて計算する必要があります。

 

戸建て住宅の場合は、ここまで調べると評価額が分かりますが、では、一つの土地に多くの住宅がある区分所有マンションの場合は、どうでしょうか。

 

どうやって調べればいいの?そんな相談に答えるために、今回は、区分所有マンションの評価額の調べ方について、分かりやすく紹介します。

 

 

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区分所有マンションの評価額

 マンション全体の評価額の調べ方

 

区分所有マンション相続税評価額を計算するときは、戸建住宅と同様、建物と土地を別々に計算します。

 

計算によって得られたそれぞれの評価額を合計すると、区分所有マンションの評価額を計算できます。

 

区分所有マンションの評価額 = 建物の評価額  +  土地の評価額

 

建物評価額の調べ方

 

マンションは、自分だけが出入りできる専有部分と、マンションの住人や訪問者が利用する共有部分があります。

 

エントランスやエレベーター、廊下などが共有部分になっていることは、入居時の説明などでご存知の方も多いでしょう。

 

建物全体のうち、自分が所有する部分を計算しなければならないとなると、これは大変と思われるかもしれません。

 

しかし、計算する必要はありませんので、安心してください。

「固定資産税評価額」には、自分が所有するマンションの専有部分と共有部分の合計額が、記載されています。

 

建物の評価額 = 固定資産税評価額 (⇦専有部分と共有部分の合計が記載)

 

共用部分の評価額は、すべての区分所有者が所有する専有部分の床面積の割合によって、あらかじめ計算されています。

 

この固定資産税評価額は、納税通知書で確認する方法と、市区町村役場で固定資産税評価額の証明書を取得して確認する方法があります。

 

土地評価額の調べ方

 

土地の評価額は、建物と違い、固定資産税評価額を当てはめることができません。

まず、土地全体の評価額を計算して、自分の持分割合をかけ算して、計算します。

 

区分所有マンションの土地評価額 = マンション全体の土地評価額 × 持分割合

 

マンション全体の土地評価額

 

全体の土地評価額は、2種類の計算方式があります。

市街地の場合は「路線価」が決められていて、それ以外の土地は「倍率」が決められています。

 

路線価は、面している道路によって決まる、1平方メートル当たりの評価額で、倍率は、固定資産税評価額の何倍かを決める割合です。

 

路線価のある土地の場合は、次の式で計算します。

マンション全体の土地評価額 = 路線価 × 面積 × 補正率

 

「補正率」は、標準的な土地と比べた時の「条件の良さ・悪さ」を意味し、条件の良し悪しで評価額が増減します。

 

条件が良いケースとしては、敷地の2面や3面が道路に接している場合があります。

この場合は、評価額が上がることになります。

 

反対に、条件が悪いケースとしては、奥行きが短い、逆に、奥行きが長い、台形や三角形など変形しているなどがあります。

 

この場合は、条件によって決められている補正率を当てはめると、評価額が下がることになります。

 

評価額が上がる補正率としては、側方路線影響加算や二方路線影響加算、下がるものとしては、奥行き補正や間口狭小補正、奥行長大補正などがあります。

 

それ以外の土地の場合は、次の式で計算します。

マンション全体の土地評価額 = 固定資産税評価額 × 倍率

 

倍率は、「字」程度の単位の地域に、共通で設定されている数値で、宅地や田、畑、山林などに区分されています。

 

持分割合

 

持分割合は、マンション全体に対する専有部分の割合を意味します。

管理費や修繕費を割り当てる際は、この割合を基に配分します。

 

この持分割合は、区分所有マンションの登記簿や売買契約書の記載で確認することができ、10万分の195などと書かれています。

 

まとめ

 

区分所有マンションの評価額も調べ方が分かると、自分で計算できます。

詳しい当てはめ方や補正率も、国税庁のホームページに詳しく掲載されています。

 

ただし、該当する補正率を探して、間違いなく正確に計算するのは少々厄介なため、いくつもの条件に当てはまるような場合は、専門家に相談することをおすすめします。